2018/02/23
お参りの時間を味わう
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水鉢彫刻の検討を重ねる
繰り返される日々の中で
こんにちは。例年にない寒さが続いているこの時期ですが、自然の彩りも少なく、街や道路沿いも少し寂しい風景が広がっています。“世間的”には「オフシーズン」と呼ばれることが多い時期です。しかし、冬のこの時期が忙しいという方もたくさんいらっしゃいますし、そうでなくても、現代の私たちは日々生活に追われているのが現実ではないでしょうか。そんな生活の中で、お墓に行き、お掃除をして、水とお供えをして、手を合わせるという時間はどんなに短時間だとしても、日々の様々な事を忘れられる貴重な時間だと思います。新型墓石「光珠」をデザインするにあたり、このお参りする時間を感じられる要素を組み込みたいと思いました。そこで着目したのが「数珠」でした。 -
乾いた状態の水鉢
水鉢の彫刻の意味合い
数珠は様々な経典にも出てくる法具です。108個の珠をつなぎ、珠を一つ一つ手で繰っていくようになっていますが、これは108の煩悩を絶つという願いが込められているそうです。除夜の鐘と同じような意味ですね。「光珠」では、この無の境地に入っていくための法具「数珠」をイメージした輪っか模様が水鉢の縁に刻まれています。その数108の1/3の36個。輪の線は太さを微妙に変化させています。 水を流していくと→→→ こちらの動画をご覧くださいhttps://youtu.be/llhPtcpJ5NU -
濡れた状態の水鉢
彫刻が消えて、無の時間が訪れる
水鉢はご家族全員が捧げてちょうど一杯になるように、大きめに作られています。そして、水が溢れるようになると数珠の彫刻が濡れて、石の色と同化して目立たなくなっていきます。数珠の珠が消えて、そこには「無」の時間=お参りの時間が訪れます。「光珠」では、水が流れて水鉢に溜まるという仕掛けに始まり、コンセプトの根っこである、日常を忘れて手を合わせるという、お参りの行為そのものを見えるものにしたいと思いました。そして、その時間を(特にお子様にとって)記憶に残る体験にして頂けると幸いです。
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